五百万石と山田錦

先日、日本酒が好きなお客様がご来店されました。その方はやたらと醸造アルコールが使われているかいないかを尋ねられるお客様でした。ぼくは実を言うとそれほど日本酒の成分や醸造法には詳しくないのでラベルの裏に表示されているスペックをよく見て説明するしかなかったのですが

結果として2本買ってくださいました。その2本は

竹葉 純米1.8L と 竹葉 能登純米1.8L でした。

どちらもアルコール度数15度 醸造アルコールは不使用
では何が違うのかそれは2つあり原料米と精米歩合の違いでした。

酒米はデンプン質のまわりを脂質とたんぱく質が覆っておりこの脂質とたんぱく質はとても栄養価が高いですがそのまま残すと雑味が生じてしまいます。ですからこの脂質と
たんぱく質を削ることによって雑味のないフルーティな香りと味が生まれるのです。またデンプン質には心白(しんぱく)ともいわれるやわらかい部分がありこの心白が小さいと削ったとき割れにくく大きいと割れやすいそうです。

ちなみに削る=精米する。ラグビーボールの形のお米の形そのままに外側を削る、これを原型精米といいます。

竹葉 純米の原料米は五百万石100% 精米歩合60%

精米歩合60%ということは40%磨く(削るともいいます)わけです。
¥2970(税込)

竹葉 能登純米の原料米は山田錦100% 精米歩合55%

55%ということは45%磨くわけです。
¥3300(税込)


720mlもありまして純米は¥1485(税込)能登純米は¥1650(税込)です。ちょうど1.8Lの半分のお値段ですね。
あとは五百万石と山田錦の違いですが

【五百万石】 産地は新潟県~北陸・中部 粒が小さい硬め吸水性良し短い時間で蒸しあがる淡麗な味わい⇒淡麗辛口スタイル
軽快でスッキリキレ良し香り控えめ

【山田錦】  産地は主に兵庫県、ほか全国に多数もちろん石川県にもあり粒が大きい中心部のデンプン質(心白)が大きいので糀菌が心白のやわらかい部分に食い込みやすく豊かな味わい香り高く華やか⇒吟醸・大吟醸スタイル

五百万石は粒が小さく香り控えめで山田錦は粒が大きく香り高く華やか、確かに違いますね。

今回お客さまのおかげで日本酒のことを勉強できましたがまだまだ商品知識が不足していますね。とはいえお酒が売れてよかったです。