卒業式のうた

3月と言えば卒業式シーズンですね。

そもそも卒業ということは卒業証書を得ることで教育課程を全て終了したことを認定しそのお祝いをする式典ということがWikipediaに書かれていますが、それはまた新しい門出を表していますね。

そしていろいろな思いがこみ上げてきます。それは多くの先生や生徒、友達との出会いだったり、別れだったり、またお世話になった先生は恩師と呼ばれますね。というわけで

中学時代にお世話になった恩師の一人です。いや恩師と言っても担任の先生ではありませんでしたがおそらく部活動の顧問の先生の紹介に掲載されている写真を見ながら美術の時間で写していたのだと思います。部活動名を言ってませんが、こんな衣装が必要な部活動ってだいたい分かりますよね?それにしてもメガネが黄色、笑福亭笑瓶さんじゃないですね。

さて、卒業式といえばタイトルにもあるように生徒たちによって歌われる歌も思い出に残りやすいですね。歌という漢字は詩、唄、唱といろいろありますが、今回はひらがなで「うた」にしました。

歌われる順番は国歌斉唱、続いて校歌斉唱、そして最後に卒業式のうたで終了する形ですね。このような荘厳な式典を初めて体験する時分は小学生ですね。ええ30年前を思い出しております。そのころは国歌、校歌、卒業式のうた全て歌いました。しかしそれから10年後に君が代を歌うか歌わないかでもめた君が代斉唱問題が起こりました。国歌を歌わない学校が日本にある?歌った経験のある自分にはずいぶん違和感を感じたものでした。

そういえば今は亡き作曲家の團伊玖磨先生はかつて放映されていたNHK人間大学の講座で君が代は外国人が作った曲ですよとか、君が代斉唱禁止の新聞記事でも音楽は空気の振動なので禁止するとかしないとかそういう問題ではないでしょうというようなことを思い出しました。

そういえば今は亡き作曲家のすぎやまこういち先生もチャンネル桜に出演されレドレという音形で始まる国歌は日本にしかないんですよとか3小節目から和音が加わる、これが実に気持ちいいと話されたことを思い出しました。ドラクエの話は皆無でしたが5線紙のフリップに直筆で君が代の旋律を書かれたことが印象的でした。

さすがお二方とも柔軟な考え方ですね。

ではここで君が代の旋律を書いてみます。といっても楽譜表示できませんから音名のみです。いや階名です。

レドレミ ソミレ ミソラソラ レシラソ ミソラ レドレ ミソラソ ミソレ ラドレ ドレラソ ラソミレ

本当はレドレミ ソミレーという風に延ばしいんですが煩わしいのでやめました。こうやって区切ると文字のユニットが11ありますからこの曲が11小節で構成されていることがわかりますね。ていうか11なんて不完全?8とか12とかならわかるんですが。あと気づくことはミファとかシドのような半音がなく、すべて全音でできていますね。そして6小節目のレドレはオクターブ高く、そこからすぐさま下のミの音に急降下するのがなかなかスリリングですね。そして9小節目でまたラドレと上がる。5小節目のミソラ レドレと似ていますが、ミソラ レドレは下降せずに順次進行しているのに対し、8小節目のミソレ ラドレの方はミソレと下降しているのでその分だけより強い起伏が生まれる。音程差で見てもミソラ レの4度とミソレ ラの5度の違いがあります。そしてラスト10小節目、ドレラソ ラソミレの部分。ドレまで上がった後一気にラに下がる。頂点のレで急ブレーキがかかったみたいな印象、和音の音もおそらくドレに対してミファが付けられると思うのですが、後半の2拍でまた同度になる。

和音も3度の関係でてきていると思います。レドレミ ソミレは同度ですが次のミソラソラから和音が付きますね。というわけでドミファミファ ファ♯ソレレ♯ミ ドミファ ファミファ ドミファミ ドミシ ファファファ ミファ 少なくともこんな感じの音が聴こえますね。お気づきのように和音が付くと半音の関係が生まれています。また個人的にはファ♯ソレレ♯ミが対位法的な感覚が味わえるので好きです。

もしくは、この曲は全体的に2小節単位でできていますね。頂点が次の小節の頭にあります。その動きはまるで寄せては返す波のようです。すなわち2小節目の頭がソ、4小節目の頭がレ、6小節目の頭もレ、ただ7小節目から小節内で3拍目にラ、そして8小節目もほぼほぼ2拍目にソ。そしてラスト9~10小節目、ドレの音が後半2拍と前半2拍にまたがってあとはゆるやかに下降して終わります。また頂点のある小節しか言いませんがソミレ レシラソはソミ、レシと3度で下降しているのに対し、レドレは2度で下降せずにとどまっている、少しずつエネルギーをためている感じでしょうか、持ちこたえている感じですね。その後はミソレといったん上がった後に下がります。ミソは3度ですがソレは4度ですね。そしてラドレ、5度の起伏。やはり並々ならぬものを感じます。ていうかこんなシンプルな曲なのに追求したらキリがありませんね。

というわけで、卒業式のうたの話ではなくほとんど君が代の、しかもルーツとか文化の話ではなく歌詞にも触れず曲の構造の話になってしまいましたが。今回はこのへんで。やはり君が代は日本の唯一の国歌ではありますが、それは同時に不思議な国歌でもありました。